吐いて棄てる。

震えてたのは怒りのせいだけど、

まあ、寒くもあったのは確か。

身体中にあったはずの熱情が、

あの瞬間一気に冷めていったからね。

藍に染まる。

強がりではないの。

あなたの視線の先を探るつもりはないし、

心の奥を覗きたいわけでもない。

もう二度と交わらない私達のラインが、

少し寂しさを思い出させはするけれど。

恋と呼ぶのも憚られるのに。

こういう気持ちになるのは、予想していたことなんだけどね。
遠い遠い、けれど今も胸に燻ぶる淡い恋心が、
これでようやく昇華されるかと思うと。
幸せであるのならそれは勿論好ましいことで、
祝福も偽りなく本音だけれども、
あなたがあなたの幸せを、私とは違う形で私とは違う人と創っていくのは、
我儘だけれどとても複雑。

そう。
祝福は偽りなく、本音なんだけれども。

虚栄心のカタマリ。

人の心配してる場合じゃねぇんだけど、

そういうわけにもいかないし。

そうやって道徳心に気を使って、

自分が駄目になるのも知ってるんだけどさ。

酷く、息苦しい。

顔色を伺いながら生きてくつもりはないし、

そんな価値なんてないのも知ってる。

私が怯えてるのは今の評価ではなく、

明日の陰口の度合いってだけ。

愛を叫べなかった日。

確かめるのが怖かった。
あの人が抱く私への想いもそうなんだけど、
そもそも私の恋心を確かめるのが、
何よりも怖かったの。

「飛び立てる筈もなかった　行き先が定まらず胸を痛めたままじゃ」

意図的にタイミングは訪れる。

例えば。
あの時のあの決断をあなたが後悔していたとして。
あの瞬間のあの行動を私が悔んでいたとして。

それでも、取捨選択を誤ったわけじゃないと言い切れるのは、
決して現状からの推測ではない。
絡まったたくさんの糸を解く能力が、あの頃の私たちにはなかったから。
認めたくなくても、
それが現実だったと解っているからね。

言い訳に近く。

変われないのと変えられないのと、

どちらが大きい理由だったか。

ほんの少しの差異は、

やがて大きな隔たりを生むのだけれど。

過大評価につき。

優れないのは君のせいではなく、

今日の雨は私のせいじゃない。

言葉にしないと分かんないかな？

「君が気にするほど私は強くない  打たれ弱いし力もないし」

思慮深く。

大丈夫って、言って欲しかった。

大丈夫じゃないことくらい自分で分かってるから、

気休めに。